やさいとせかい

めぐる八百屋&走る八百屋CAR「オガクロ」オーガニック クロッシングのブログです。

やさいはいきもの「麦」5/30

野菜たちを種から種まで見守っていくコラム「やさいはいきもの」。今回は「麦」です。

■5/31 ついに六条大麦を収穫します。

麦秋」という表現に相応しく、麦の畑はまるで秋の田のような黄金色に染まっています。

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麦秋は俳句では夏の季語とされているようで、季節を72に分けて考える古くからの暦・七十二侯では5/31〜6/4を「麦秋至/むぎのときいたる」となっているということなので、まさに今日、明日がその時!

七十二侯はちゃんと勉強したことないけど、麦の収穫時期をこれだけ正確に言い当てているならもう少し勉強してみようと思います。

頭がお辞儀をしはじめたら収穫時だと聞いていましたが、本当にお辞儀したみたいにクニャっと曲がってますね。

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前の記事を書いた5/17頃にはもっと黄金色でしたが、いまは枯れたようなベージュに変わっています。成長を止めて身体の中に残った水分を抜くことで「種」の保存性を高め、もっとも気候の変化に強い種の状態で夏の暑さを乗り越えていこうとする姿に感動すら覚えます。

下の写真は少し離れた場所に溢れ種から育った六条大麦

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ちゃんと蒔いた麦たちよりも背丈は2/3ぐらいしかないのですが種の量が多いのがあります。上の写真↑と比べてみてもらったらわかるかな?

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ちゃんと蒔いたものは平均10列ぐらいなのに対して自然生えのものは12列ぐらいのものがちらほらあります。こちらは麦踏みもしていないのですが、通路に生えているので自然に踏みつけられまくってました。何くそ根性で育ってきたのかな?(笑)このあたりにも植物の不思議があるような気がしています。

他の麦たちの様子もご紹介しておきますね。まず「農林61号」↓いままさに綺麗な黄金色です。

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1番大きく育っているのは猪名川流域のオリジナル品種「尼ヤン小麦」(名前の由来は過去記事を参照)ひとつひとつの粒の大きさが凄いです。尼ヤン小麦は大切に種をつないでいきたいなー。

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最初はすごく細くて頼りなかったライ麦も、いまや立派な種をつけています。背丈は2mを超えていて、風に揺れる姿が優雅で品があります。
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それぞれ本当に個性的で美しい麦たちの魅力にハマってしまっています。たくさん種が採れたらみなさんにも育ててみてもらいたいなぁと思っています。

最後に麦秋の頃の他の野菜たちの様子。ひとつのやさい単体でみていくのも面白いですが、ほかのやさいたちの成長と合わせて見ていくともっと面白くなります!まずにんにくは収穫時。今日麦と一緒に収穫します。

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八百屋の店頭にも新にんにくが並びはじめています。新にんにくは瑞々しくて香りが爽やかで食べやすいです。

赤紫蘇は溢れ種からたくさん育ってきています。ちょうど梅の実がなる頃に芽がでます。昨年はたくさん収穫することができました
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にんじんもすこし大きくなりました。↓
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春に蒔いたしゃもじ小松菜はあっという間にトウ立ちして、もう種をつけているものもあります↓春の葉物はめちゃくちゃ難しいことを実感。農家さん凄いです。
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同じ頃に咲く柿の花。養蜂家の和田さんに聞いたら毎年5/24頃に咲くのだそうです。
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山椒も実山椒になっていてオガクロでも八百屋の野菜案内に並んでいます↓
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めぐる八百屋オガクロ 再オープンのお知らせ

めぐる八百屋オガクロ再オープンは6月2日(火)からになります。営業日は火水木金の4日間で土曜日はお休みをいただいてもうすこし様子を見ていこうと思います。営業時間は通常通り11:00-17:00になります。

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この数週間、お店がまるで出荷場みたいになっていたので復旧が大変でした…(//∇//)でも久しぶりに野菜を並ぶとやっと八百屋に戻ったように感じてすごく嬉しいです(^-^)気持ちも前向きになってきました!
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ただもうしばらくマスクの着用と入店の際のアルコール消毒をお願いしたいと思います。アルコールが苦手な方には使い捨ての手袋をご用意していますのでお声掛けくださいね(^-^)
また店内は狭いのでお客様が多い場合は少しお待ちいただくようになると思います。ご協力のほどよろしくお願い致します。
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#オガクロ #八百屋 #宝塚市 #阪急山本駅

犯人を写真に捉えました!

先日「しゃもじ小松菜」や「大阪しろな」のタネが何者かに食べられている!とご報告しました。もうボロボロです↓

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実はそのあとすぐにこのタネを食い荒らしている犯人が判明しました!!庭に座って何気なーく畑を見ていると何やらバタバタと動く影が!そばに置いてあった双眼鏡で見てみると…↓

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ムムッ!あれはもしや!?

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なんと犯人は虫ではなく「鳥」でしたー(//∇//)しかも4匹も枝に捕まって食べまくってる…。大きさはスズメより少し大きいかな?という感じでお腹や背中のあたりが少し黄色がかっていてとても綺麗な鳥です。

なんていう種類なんだろー?と鳥のことならこの方に聞け!とばかりに@happyblue bird のかあこさんに問い合わせたところ「カワラヒワ」という鳥なのだそうです。

サントリー日本の鳥百科「カワラヒワ」↓

https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1409.html

草の種を良く食べる鳥だということで納得。鳴き声も綺麗で見た目も可愛いけどやってることは可愛くない犯人に複雑な心境です…全部食べんといてなーと声をかけておきました(笑)

いろいろなタネたち

いまわろうだではさまざまな植物がタネをつけています。最初はラディッシュを播いたら何故か育ってきた赤大根↓

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先の尖った不思議な形は地面に落ちた時に刺さるようにできているのだとか。写真のような若い鞘は「さや大根」という名前で食用にもされていて、生でサクサク食べたりサッと湯がいたりして食べられます。ほんのり甘くて微かに大根の香りがフワッと薫ってくる感じ。先週、淡路島西洋野菜園さんから届いたのでセットに入っていた方はラッキー!
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観察していると大根は大きく手を広げるような形に成長して種を落とすようですね。こうやって少しずつ範囲を広げていくのかな?大根のタネが地面に刺さるところを見てみたい(笑)

次は畑に数本残っていたパクチー(コリアンダー)↓

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あの強烈な香りからは想像もつかない可愛い花。そのあと緑色の丸いタネをいくつもつけます↓

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このタネは乾燥させてスパイスとしてお菓子や料理に使われますよね。葉っぱよりもマイルドな香りで食べやすいので、パクチーが苦手な人も食べられるようです。

さて、次はタネの先に平たい板のようなものがついているこのタネ↓なんのタネかわかりますか?

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花を見たらわかるかな?↓

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ということでルッコラでした。それにしても平たい板はなんでついているんだろう?風で飛ばされるためかはたまた水に浮いて船のように流れていくのかも?ルッコラの原産地の環境などを考えるとわかるのかも。調べてみたら楽しいですね。

こちらは「しゃもじ小松菜」のタネ。ですが、何者かに食べられてしまっています!
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実は大阪しろなのタネも同じように何者かに食べられてしまってボロボロ…。どうもこの手のアブラナ科の野菜のタネを狙う虫がいるみたいなんです。犯人を見つけたらまたご報告しますね!(興味のある方がいればですが(笑))

■犯人がわかりましたー↓

https://organic-crossing.hatenablog.com/entry/2020/05/25/115449

一方、こちらの「からし菜」のタネは食べられることもあまりなくすごく大量のタネをつけています↓
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本当に凄い量で何粒とれるんだろう…という感じ。一粒万倍まではいかないかもしれないけど100倍にはなってると思う!肥料も何もやらずにこれだけタネを増やせるなんて植物は本当に凄いです。

その隣では時々ご紹介している「六条大麦」が黄金色に色づいています↓こちらもすごい数のタネ!!
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実もパンパンに膨らんで梅雨前に収穫の予定。麦茶や押麦にするのがとても楽しみ!棹の部分はストローにしてminarusuy さんの「山のあなた」で使ったり、lichetteさんにヒンメリにしてもらう予定です。それまでにコロナが落ち着いていてほしい。小麦もいよいよ小麦色になり始めました。
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今年は小麦を育ててみて、その姿の美しさに魅了されています。毎年タネをとるようにして流域の小麦を少しずつ増やしていきたいと思っています。

 

やさいはいきもの「麦」5/17

野菜たちを種から種まで見守っていくコラム「やさいはいきもの」。今回は「麦」です。

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麦でも種類によって色付き方がこんなに違うのも知らなかった!一番早いのはやっぱり六条大麦。もう実もパンパンで金色に変わってきています。畑でも一際目立っています。
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棹の部分もかなり金色になってきました。調べたら収穫は5月下旬から6月上旬ということ。だけど梅雨の入りによっては数日晴れそうな日を見計らって早めに収穫した方が良いかもしれません。
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書いていて気づいたのですが、六条大麦は日本に昔からあった品種だから梅雨に入る前に収穫できるのかな?と思ったり。

また今は現代のライフスタイルに合わせて5月の連休に田植えをする家が多いですが、少し前なら田植えも6月だでした。ということは六条大麦なら収穫してから田植えに移るのがスムーズだったのかもしれません。

さらに小麦と言えばパンやうどんですが、六条大麦は「麦茶」や「押麦」にして雑穀のようにお米に混ぜて食べる品種。これも日本の気候に合っているんだと思います。小さな畑でも実際に育ててみるといろんなことに気付かされます。

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上が農林61号下は尼ヤン小麦。両方とも収穫はまだ先のよう。例年であれば6月6日ごろに梅雨入りだということを考えると収穫のタイミングが難しそうー\(//∇//)\また背が高いので台風などの風にも注意しないといけませんね。

「やさいはいきもの」アスパラガス

みなさんの食卓に「食べもの」としてのやさいを届けている八百屋オガクロですが、自宅の前にある小さな畑で、種から種まで「生きもの」であるやさいたちの成長を観察しています。そのやさいたちの様子を連載していくシリーズ。今回は「アスパラガス」です。

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誰でも一度くらいは食べたことがあるというアスパラガスですが、その芽や花、種を見たことのある人はすごく少ないかもしれませんね。

■芽がでたー!

実は今日、アスパラガスの芽がでていたんです!3/30に種まきしたのでかれこれ40日後の発芽。土の上の小さな黒いのがタネです↓

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もう出ないのかなぁ?と半ば諦めたかけていたので嬉しさ倍増です!とても細くヒョロヒョロですが良くみると確かにアスパラガスです↓

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アスパラガスは畑に植えてからちゃんと収穫できるまでに3年、それ以降8年から10年ぐらい先まで収穫が続く息の長〜い野菜。これからどうぞよろしくお願いしますと小さな「芽」にご挨拶(笑)

■大先輩

一方、わろうだの前の畑には植えてから6年〜8年ぐらい経ってる大先輩のアスパラガスがいます。人の年齢に例えていうと上のヒョロヒョロの芽が産まれたばかりの赤ちゃんで、こちらの株は60-80歳ということになるんですから、そりゃもう大先輩です!写真はちょうど収穫できるサイズになったもの。手でポキッと折って収穫します。

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最初の1本目の収穫が菜花が咲き誇っている時期だったので一緒にサラダにしました。収穫したてのものは驚く程甘くて美味しい!のでオリーブオイルと塩だけで立派な逸品になりました。もっとたくさん収穫できればみなさんにもお届けしたいところですが、なにせ観察用の1株ですので…(笑)

■アスパラガスの大変化!

5月に入って気温があがるとアスパラガスはあっという間に背が高くなります。1日で何センチ伸びるんだろう?というぐらいの勢いなので本当に驚きます。

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ぐんぐん伸びていく姿はまるでロケットみたい!この頃のアスパラガスは急激にその見た目を変えていきます。そして今日5/13の時点では僕の背丈と同じ180cmぐらいまで伸びて枝を大きく広げて、その根本に小さく可愛い花を咲かせています(^-^)

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アスパラガスは雌雄別株ということなので、こちらは女性みたいですねー。オガクロのお客さんでも花を見たことある人あまりいないんじゃないかなー?釣鐘のような可愛い花です。
流域畑ではこのまま種がついて葉が枯れていまで見届けていきます。今年は種採りにもチャレンジできるかな?

やさいはいきもの「麦」5/13

色づいていく麦の美しさ。

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日に日に色づいていく麦の姿が美しくて心を奪われています。今年は4つの品種を植えていますが、それぞれ見た目がまったく違う!最初が「農林61号」2枚目が「六条大麦」最後の背の高いのが「ライ麦」。あと尼崎在住Y家自家採種の「尼ヤン小麦」が育ってます(^-^)

一口に「麦」と言ってもこんなに個性があったんだ!と驚いてしまいました。

特に「六条大麦」は名前の通り種が6条についていて上から見るとまるでお花のようです。「これが麦茶になるんだー」と素直に感激。

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長く八百屋をしていても実際に自分で育ててみると知らないことが多くて学びの毎日です。