紙くんの小豆
今朝、オガクロの畑にでると小豆の花が咲いていました。
この小豆は「たねの森」の紙くんが僕たちの家に泊まりに来てくれたときにいただいたもの。「常吉小豆」という品種だったように記憶しています。
その小豆を猪名川に引っ越してきてすぐに畑に蒔きました。育ててみるまで知らなかったのですが、小豆というのは収穫が大変なんです!例えば大豆はすべての鞘が一斉に熟していくので、ある程度の時期になったら株ごと刈り取って干しておけばオッケイ。
一方で小豆はひと鞘ずつ熟していくタイミングが違っていて、株ごと収穫して干すというわけにいきません。毎日畑にでてチェックし、熟していたらすぐに収穫しないとすぐにカビたり、虫にやられたり、雨が降れば鞘の中で発芽してしまったりします。その収穫の手間たるや驚くほどなのです(>人<;)!
昔の人は小豆のことを「赤い宝石」と呼んだと聞いたことがありますが、収穫の手間を体験すると本当に宝石のように見えてきます(笑)
僕も最初はがんばって収穫していたのですが、八百屋が忙しくなるとそのうち畑にでる機会も減っていき、数年たったころには蒔いたことすら忘れていました。
畑の隅で。
それから数年経ったある日、草ボーボーになった畑で草刈りをしていたときのこと。「あれ?こんなところになんか生えてるぞ?」と思い手を止めて観察すると小さな小豆の葉だったのです。紙くんの小豆はほったらかしになってからも毎年芽をだし、花を咲かせ、タネを残し、畑の隅で生き残っていたのです!
現在ではタネの多くが大手のタネ屋さんが育成した「F1種」「一代交配種」というものになっています。これは形や収穫の時期が揃ったり収穫量が増えたりするように掛け合わされているため生産農家さんにとってとても有利になります。反面、その特徴は一代しか発揮されないため、タネをとり次の世代になると形質がバラバラになってしまうという特徴を持っています。なので農家さんは毎年タネを買わなければいけなってしまいます。
一方で「固定種」とか「在来種」と呼ばれるタネはその土地で何代もタネを採り受け継がれてきた品種で、一度蒔けばまたタネを採り毎年蒔いていくことができます。そうやってその土地の気候や風土に合っていくのです。
流域あんのたね?
いますオーガニッククロッシングではけせら畑さんや片山農園さんと協力して「流域みそのたね」という取り組みを進めています。
これは大豆を蒔いてタネを採り、また蒔くということを繰り返していくことで地域の大豆、猪名川流域に根付いた大豆を育てていこう、そしてその大豆を流域に住む人たちが食べる、というサイクルを作り出そう!という取り組みです。まだやっと2年目に入ったばかりですが、これからどうなっていくのかとても楽しみな取り組みです。
さて、今回畑の隅で見つけた小豆。
蒔いたことすらすっかり忘れていましたが、この小豆はすでに猪名川という土地で何年も育ってきたことになります。ということはこれはもしかして猪名川の固定種になりかけてる?ということは今年うまくタネが採れたら「流域あんのたね」もできるのでは?(笑)なんて考えています(*^o^*)またご報告しますね。