徳島県内を流れる川で一番長い一級河川「那賀川」。源流から河口まで125キロあり、もっとも良好な水質として清流四国一に選ばれたこともあるようです。
その那賀川の源流にあたる木頭北川の集落の中に、僕たちが収穫に向かうゆず畑があります。
木頭の水の美しさたるや驚くほどで、その青さから「木頭ブルー」と呼ばれ訪れる人を魅了しています。
あまりの水の綺麗さに泳ぎたくなりますが、水温がとても低いため夏でも10分も入っていると震えてくるほど。
地元の方に教えていただいた湧き水もとても美味しくて、木頭に滞在している間はこの水で生活することにしています。
この美しい水と昼夜の寒暖差の大きい厳しい気候が味、香り最高のゆずを育んでくれます。
ゆず畑は河原から山へと続く斜面にあって、収穫はなかなか大変(^◇^;)高枝切りバサミ2種類を駆使して収穫していきます。
ゆずが豊富な木頭では、独特の搾り機を使ってゆずをまるごと搾って「ゆず酢(ゆず果汁)」として保存してさまざまな用途に使います。
ちらし寿司やにぎり寿司の魚を〆るのにもゆず酢を使うのですが、これが絶品なんです(*^▽^*)
一緒に収穫に来ていたミナルスイさんもゆず搾りにチャレンジ。
このゆず搾り機が秀逸で、木のハンドルを降ろすとゆずが割れながら搾られていきます。ゆず果汁はトユを通って容器にたまり、皮は畑に直接転がり落ちるようにデザインされています。
近くを流れる清流のせせらぎ、そこかしこから聴こえてくる鳥たちのさえずり、暖かな日差しが差し込む畑で、一面に広がるゆずの香りの中で作業していると本当に幸せな気持ちに溢れます。
普通から考えれば不便で暮らし辛いだろうと思われている山間僻地のこの村で、「本当の豊かさとは何か」ということを教えてもらっているように思うのです。
僕もゆずを通してこの村のこと、暮らしのこと、その豊かさや美しさを伝えていけたらと思います。